大判例

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東京高等裁判所 昭和29年(ラ)41号 決定

強制執行の目的たる物件について、占有権を有する者は民事訴訟法第五百四十九条にいう「強制執行の目的物について引渡を妨げる権利を有するもの」と認めるのが相当である(昭和六年三月三十一日大審院判決参照)ところで相手方が提出した疏第一号証ないし第四号証によると、相手方は鄭照南から本件建物部分を転借したことが一応認められるから、相手方が異議のため、主張した事情が法律上理由ありと見え、かつ事実上の点につき、疏明ありたるものと認められる。

尤も、相手方の疏明方法によつては、相手方が本件建物をその所有者である抗告人の承諾を得て転借したものであることを疏明することができないけれども、相手方が異議の理由として主張するところは、相手方が本件建物部分について占有権を有するというのであつて、占有権は占有の事実に基いて発生するものであり、本件建物の所有権者である抗告人の承諾の有無は占有権の発生について関係のないところであるから、抗告人の承諾の有無は異議の理由については必要のないところである。

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